Perfoming Arts Critics 2013

若手の書き手によるレビューブログです。2013年11月から12月に上演される舞台芸術作品についての批評を中心に掲載していきます。

2013-11-20から1日間の記事一覧

わっしょいハウス『必要と十分』のススメ

今週末の予定を決めかねているあなたにわっしょいハウスの公演『必要と十分』を全力でオススメしよう。 7月に見た『猫隠しまっすぐ』は衝撃的な面白さだった。 印象としてはチェルフィッチュ×五反田団、あるいは小説で言えば柴崎友香×森見登美彦。とぼけた…

観客は観劇を体験することができない

ツアーパフォーマンス、もとい、ツアー。中野成樹と長島確により制作された『四谷雑談集』そして『四家の怪談』は、『四谷怪談』を題材に、都内のとあるエリアを散策することをメインとしている。このツアーにはそれぞれお供となる「台本」が一冊ずつ用意さ…

物語を通して表象された、舞台としての「東京」

『四家の怪談』は演出家の中野成樹が現代版四谷怪談として書いた小説を手に、舞台となった北千住、五反野を探索する作品である。上演は「トーク」と「ウォーク」から構成される。指定された集合場所に着くと『四家の怪談』の物語が書かれた冊子と、舞台とな…

第三の悲劇について

「インドネシアから来た劇団です」――11月9日、シアタースタジオ・インドネシア『オーバードーズ:サイコ・カタストロフィー』開演前、池袋西口公園でフライヤーを配る者たちはしきりにそのフレーズを繰り返していた。インドネシアから来た――その情報を私は、…